ギクッ
後ろから冷たい声が聞こえてくる。
恐る恐る振り返ると、口もとは笑っているが目が笑っていない瑞季先輩と、
「瑞季、後輩いじめんなよ」
と、そんな瑞季先輩を嗜めている男の人が立っていた。
「叶多。後輩はね、甘やかしちゃダメよ、言うときはビシッと言っとかないとなめられるわよ?ね、侑都くん?」
不適な笑みを浮かべてそう呟く瑞季先輩に、
「はい!…いや、マジで俺瑞季先輩のこと尊敬してるんで」
と、慌てて取り繕う俺。
瑞季先輩だけは敵にまわしたくない!
その一心で言葉をかけた。
「…ふーん、ま、いいけど。あさみ~おはよう。ちょっと遅くなっちゃってゴメンね」
ようやく、瑞季先輩の興味が俺からあさみ先輩に変わったところでホッと胸を撫で下ろす。
「瑞季、叶多くんおはよう、叶多くんは久しぶりだね、元気だった?」
「あさみちゃん、おはよう。うん、元気だよ。あさみちゃんも元気そうでよかった。……あ!あと、後輩くんもはじめまして。朝倉叶多です。瑞季から噂は聞いてるよ」



