よし!と、気合いを入れ直し、


「先輩!俺、バレンタインのお礼したいんでこんどどっか一緒に行きません??」


平然と、いつもの調子で声をかけた。


「………え、どっかって、、侑都くんと2人で?」


お弁当を食べる手を止め、訝し気に俺を見る先輩の表情に


あー、やっぱりダメか


と、内心凹みつつ、肩を落とした時だった。


「……じゃあさ、私と叶多も一緒にだったらどう?もうすぐ私たちも3年生で受験だし、なかなか遊ぶ機会も少なくなってくると思うしさ」



瑞季先輩がそんな提案をしてくれた。



「瑞季と、叶多くんも?うわぁ、それ楽しそう、行く!どこ行こっか??」


「そうだね~、あ!私見たい映画あるんだけど映画はどう?」


「もしかして、前瑞季が見たいって言ってたやつ??見たい、見たい」


「じゃあ、叶多には声かけとくから日にちとか時間とかは後で決めよ?」


いつの間にか俺はおいてけぼりで話がどんどん進んでいる。


いや、まぁ…先輩と遊びに行けるし、結果オーライなんだけどね。


うん、、あさみ先輩……ちょっと、俺…傷ついた。


表情は、笑顔で2人のやりとりを見ていたが、心は深く傷ついている。


そんなに…俺と2人って、、嫌なのか。


ワイワイと、楽しそうに話すあさみ先輩を見て俺は心の中でソッとため息を溢したのだった。