先輩の笑顔って癒されるよな。
いつの間にか、ほんわかした空気感に包まれてるって言うか。
ヘラヘラと、だらしなく笑っている俺。
うわぁ、瑞季先輩…露骨に馬鹿にしたような表情だなぁ。ま、今幸せだから気にしないけど。
しかし、
「……そういえばさ、もうすぐホワイトデー、だよね?」
瑞季先輩のそんな一言で俺は、現実に引き戻された。
「あー、そっか。もうすぐホワイトデーだね」
あさみ先輩は、興味なさ気に瑞季先輩に相づちを打つ。
これは、あさみ先輩にお礼というていで先輩をデートに誘えるチャンスでは…。
一気に緊張が高まる。
チラリと、瑞季先輩を横目で見ると、
目で、"誘いなさいよ"と、訴えている…気がした。



