そんなこんな葛藤しながらも、ようやく蘭の家の前にたどり着いた。

とりあえず、よく頑張った、俺の理性!

自分自身を心の中で褒める。

「じゃ、明日学校でな。朝、また迎えに来るから準備しとけよー」

と、声をかけ、俺は彼女の手をはなした。

「うん、大地も寝坊しないでよ、遅れたらおいてくから」

「はいはい、わかってますって。んじゃ、また…」


"またな" 


そう言おうとしたが、最後まで言葉にできなかった。


「……っ、」


一瞬、蘭の顔が近づいて、


気づいた時には、


唇が重なっていたから。


「…これ大事にするね、ありがとう」


唇がはなれて、ポカンと固まる俺に向かって蘭はそう呟くと、足早に自宅の玄関に向かって歩みを進める。


パタンと、ドアが閉まるのと同時に俺はその場にうずくまった。


「……だから、反則だって…」


あぁ、くそ。明日どんな顔して会えばいいんだ


そんな悶々とした思いが募るなか、俺はソッとため息をついたのだった。


               
                                    ☆pattern1 END