俺が手渡したプレゼントを蘭はソッと受けとった。


「……開けていい?」


彼女の言葉に俺は頷く、もともとそのために買ってきたのだ。

ゆっくりプレゼントをあける蘭の姿を俺は見つめる。


「わぁ…可愛い」


手のひらにのせたペンダントをまじまじと見つめ、蘭は嬉しそうに微笑んだ。


「胡蝶蘭の花言葉は、幸せが飛んでくる、純粋な愛だって、まぁ、さっきの子からの受け売りなんだけどね」

「……そうなんだ。はじめて知ったよ。まぁ、大地が花言葉なんて知ってるはずないもんね」 


「……どういう意味だよ」


「そのまんまの意味よ」


…っ。

蘭の言葉に言い返そうとするが、図星なので言葉が出てこない。

とりあえず、何か言い返そうと口を開いた瞬間、


「……ありがとう。プレゼント嬉しいよ。色々言っちゃってゴメン」


キュッと、俺の服の裾を掴み、蘭がそう呟いた。