ボソッと、蘭が呟いた。

「………え?」

「だから、バレンタインチョコもらった子でしょ!!」

何度も言わせないでよと、ばかりに蘭は俺を見据える。

まさか、蘭が明花ちゃんの顔を知っていると思わなかった俺。

「いや、まぁ、そうだけど…たまたま、あの子と友達が買い物してるところに鉢合わせて……」


とりあえず、事の経緯を説明することにした。

上手く説明できなくても、嘘つくのはもうしたくないし。

俺の話を蘭は意外にも黙って聞いてくれた。

途中、蘭から、

「……もう遅くなるし、帰りながら話して」

と、言ってもらえたので幾らかホッとする。


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「…………というわけで、これが蘭へのプレゼント」

手に持っていたプレゼントを蘭に差し出す。

自分達の家の近くまで来てようやく話が一段落ついたのだが、

かれこれ、30分程度、帰宅しながら今日の経緯を話していた。 

まぁ、サプライズも、ホワイトデーのプレゼントのことも包み隠さず話して、バレちゃったけどな。