「いや、ちょっと待てって、」
慌てて状況を説明しようとするが、
蘭は俺をキッと、睨み、
「最低、バカ!」
それだけ言い残し、足早にその場を去っていく。
え、ちょっと…どういう状況だよ、これ、、。
一瞬、時が止まったように感じた。
そんな、凍りついた時間を動かしたのは、
「ど、どうしよう…白浜先輩に勘違いを、、」
顔面蒼白で、今にも泣き出しそうな明花ちゃんの言葉。
「大丈夫、明花ちゃんのせいじゃないから気にしないで。てか、ゴメン、友達来るまではって思ってたけど…」
チラッと蘭が去っていった方向に視線を送ると、
「いえ、私は大丈夫ですので早く追いかけてください!」
間髪入れずに明花ちゃんは答えてくれた。
「ありがとう」
彼女の言葉に背中を押され、俺は蘭が去っていった方向に向かって走り出す。



