「…え?」
キョトンとした表情で明花ちゃんは、俺が手渡した包みを受けとる。
取り出した中身は、ヘアゴム。アクセントに小さな星がついている。
明花ちゃん結構髪長いし、ヘアゴム使えそうだなと、思って購入した。
「…一応、今日のお礼と、ちょっと早いけどホワイトデーね。あの時はチョコレートありがとう。さっきの店でついでに買ったんだけど、好みとかあるだろうし気に入らなかったら使わなくても…」
「…っ、ありがとうございます。大事にしますね!」
ギュッと、包みを大事そうに持ち、明花ちゃんは俺に向かって微笑んだ。
どうやら気に入ってもらえたみたいだな。
よかった、よかったと安堵したのも束の間、
「……は?大地……?」
聞こえてきたのは、聞き覚えのある声。



