「……あの、永山先輩。今さらですけど……今日は無理やりというか、強引についてきてしまってすみませんでした…」
飲んでいたカフェモカをテーブルに置き、明花ちゃんは、深々と頭を下げる。
突然の彼女の行動に俺は驚いた。
そして、
「先輩は覚えてないと思うんですけど…私、前、バレンタインデーの時にチョコレートを渡して……」
意を決したように、ゆっくりと口に出す。
その表情は、少し緊張しているようにも見えた。
「……覚えてるよ、あの時は、ありがとね。今日はまぁ、確かに最初は驚いたけど、蘭に良いモノ選んでもらったし、俺的には感謝してるよ…あ!そうだ、これは明花ちゃんに」
と、言って蘭のプレゼントを入れてもらった袋の中から、小さい袋を取り出し、彼女に手渡した。



