「………うん、そう。俺、蘭が好き」
一瞬、本当に一瞬だけ、蘭の名前を出すか迷った自分がいた。
また、余計なこと口走っちゃうんじゃないかって…。
けど、真っ直ぐ聞いてくれた彼女には、正直に答えないといけない気がしたから。
再び流れる沈黙。
そんな中、
「……です」
明花ちゃんが何事か呟いた。
「え?なんて??」
声が聞こえなくて思わず聞き返す。
「すっごい、素敵です!!!」
!?
バッと、勢いよく俺に近づいてきた彼女は、今日見た表情の中で、一番生き生きしているように見えた。
何より、
……大きい声出せたんだ
そのギャップに驚いた。



