チョコレート記念日Ⅱ~ホワイトデー編~



「………うん、そう。俺、蘭が好き」


一瞬、本当に一瞬だけ、蘭の名前を出すか迷った自分がいた。

また、余計なこと口走っちゃうんじゃないかって…。

けど、真っ直ぐ聞いてくれた彼女には、正直に答えないといけない気がしたから。


再び流れる沈黙。


そんな中、


「……です」


明花ちゃんが何事か呟いた。


「え?なんて??」


声が聞こえなくて思わず聞き返す。


「すっごい、素敵です!!!」


!?

バッと、勢いよく俺に近づいてきた彼女は、今日見た表情の中で、一番生き生きしているように見えた。


何より、


……大きい声出せたんだ


そのギャップに驚いた。