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あたしの知り合いの先輩は今2年生で、中学時代に吹奏楽部でお世話になった人だった。


といっても、普段は滅多に2年生の教室にお邪魔することはないので、さすがに緊張する。


2年生の教室のある2階へ移動して、廊下を歩いているだけでも先輩たちからの視線を感じずにはいられない。


しかも4人でぞろぞろ歩いているものだから、派手めな先輩たちに目をつけられそうで怖かった。


あたしたちは早足で2年A組へ向かい、その戸を開いた。


2年A組の先輩たちから一斉に視線を浴びて、一瞬言葉を失ってしまう。


早く誰かに声をかけなければと教室内を見回した時、「美知佳、どうかした?」と、聞きなれた声が聞こえて来た。


そちらへ視線を向けると知り合いの真紀恵(マキエ)先輩がいて、ホッと胸をなで下ろした。