エレベーター

☆☆☆

すべての説明を終えた時には外は暗くなっていた。


それでもあたしは途中で話をやめるようなことはしなかった。


ここですべてを説明してしまわなければ終われない。


なぜだか、そんな気分になっていたのだ。


「そんな……。咲子ちゃんがまだあそこにいるなんて……」


「あなたの大好きだった咲子さんは今でも苦しんでる。あなたのせいで!!」


あたしはそう言うと肩で呼吸を繰り返した。


自然と目には涙が浮かんできていて、咲子さんの気持ちを代弁するような形になっていた。


長い間咲子さんの気持ちと向き合ってきたせいかもしれない。


「ちゃんと、罪を償ってください」


充弘が前原さんの前に立って言った。


それは絶対に逃がさないという信念を感じられた。


前原さんが怯えた表情で充弘を見上げる。


「ここで逃げても、きっと学校では同じ怪奇現象が繰り替えされる。その度に学校生徒が過去の事件を知り、あなたの元に来るでしょうね」


あたしは憎しみのこもった声で言った。