エレベーター

「じゃあ、今日はわざわざ咲子のために来てくれたの?」


その質問に充弘が頷いた。


罪悪感が胸を疼かせる。


でも、この調子でいけば咲子さんのことをもっと色々聞き出せそうだった。


「そう……。よかったら上がってちょうだい。咲子もきっと喜ぶから」


目じりに涙を滲ませて、女性はそう言ったのだった。