放課後の教室。



二階の窓から外を眺めている渋谷。 



その表情はかたくて 




意識外の視界の中では




ちらほら下校する生徒の姿がうつる。



白みがかって見えるほど



明るい日差しのなか 



運動部のあげる砂ぼこり。    




俺の気持ちとアンバランスすぎて 



なんかめまいがしそうだ。
 


あれ?



昇降口の近くにいるの田所さんじゃん。



何か、委員会の集まり終わったらすぐ来るって



言ってたけど。



一緒に笑っている男、だれ?



良く見えないな。



あ、佐治じゃん…。



…嬉しそうだな。



何かいい雰囲気じゃね。



お似合いみたいな?



もしかして



全部



俺の勘違いだったのかな。



ほんとは、みんなにも



あんな風に、



笑ったり、照れたり。



あんな瞳で、見つめたりするんかな。




おれはただ




自分の願望強すぎて、



望みあるって、



俺のこと好きかもなんて



妄想ってただけなのかな。