あの頃、俺はとにかくイライラしていて
この学校にも、スポーツ推薦で入学したくらい
中学の頃からバレーしかしてこなかった。
それなのに、部活中の不注意で腕をケガして、
みんなが毎日練習して
どんどん上手くなっていっているのに
何もできない自分に腹が立って
開いていく 差に
筋トレしようにも
力をいれるとケガした腕に響いて
動けなくて。
追いていかれる焦燥感に
みんながバレーしている体育館に行くのも
つらくなって
多分、他人からしたら
ただのケガで、
それでやる気失うなんて
ただの甘えで
だけど、どうしても
心折れてしまう気持ちが
自分じゃ止まらなくて
「渋谷?
あいつもう終わったな」
そんな陰口に
逃げそうだったとき。
体育館へ向かう足が
重くて
やっぱりUターンしてしまいそうになった
あのとき。



