その後警察官がかなりの人数で押しかけてきて、事情を聞かれた。
あたしたちはたまたまこの別荘に遊びに来ていてそれをこっそり観察していた逃亡犯が子供だと侮って襲おうとしたのだろう、とあたしたちと警察官の意見は一致した。
イチと千里も風呂から上がってきて、全てが終わったこの状況にびっくりはしていたが。
「ここの風呂、うちと違ってすっげぇきれいだし気持ち良かったからつい長湯しちまったけど、こんなことがあったんなんて、ごめん」と千里が謝ってきて
「お前が居ても何の力にもなんねぇよ。進藤だって一発アウトな奴らなんだぜ?」と戒が意地悪そうに笑う。
確かに……キモ金髪はそれなりにワルだったから千里より強そうだけど、そのキモ金髪が一発だったからな。火事場のバカ力って言うのか切羽詰まった逃亡犯だ。何やらかすか分かったもんじゃねぇ。そう考えたら全員無事だったのはホントに奇跡なんか?
「で、君たちがこの凶悪な逃亡犯を倒した、と?」と警察官は目をぱちぱち。
「あ、あはは~、マグレですよ。実は俺らそれぞれ格闘技の段持ちなんで。俺の彼女は空手とテコンドーで俺も空手やってたし薙刀も習ってたし、こっちも」とキョウスケをずいと前に押し出す。
「空手の段持ち?分かっているかい、君たち。段持ちが外で力を振るうとそれは立派な傷害罪になるってこと」
え、そーなの!?
「でも人の命が掛かってったんやで?それでも俺らは何もせえへんで、流れに身を任せろって?」と戒が警察官の一人を睨み上げると、警察官がたじろいだように一歩後退した。
「そうよ、何があったか分からないけど正当防衛よ!」とキョウスケの腕に巻き付いたイチが喚いた。
なまじすっげぇ美女に睨まれて喚かれたら、今度は一人じゃなく大勢の警察官が目をぱちぱち。
「まぁ、今回は正当防衛ってことで。事情を聴きたいのですが、時間が時間なので、後日ってことで」と警察官の一人がメモを取る。
これにはあたしたちみんなで顔を合わせた。
「って言っても俺ら東京から来たし、ここにはたまたま遊びに来ただけで」
「じゃぁ後日君たちの保護者の方を交えて話を聞かせてもらえるかな」と警察官が事務的に言い戒は一層視線を鋭くさせた。
「それなら、タチバナに事情を説明しな。警視庁捜査一課だ。トラマ カイって名前を出してもらえればすぐに話が通じるだろ」
は――――?
タチバナが警視庁の捜査一課――――?



