。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


「じゃぁあたしはその間お風呂に入って来るわ」とイチが言い出し、「俺も、興味ねぇわ。風呂入って来る」と千里も言って。意外……イチはキョウスケのビリヤード興味ないのかよ、と思ったけれど


「俺が長いバー持っとる姿見るとトラウマなんやろ」とキョウスケが戒にこそっ。


「ああ、お前が鴇田襲ったときのこと思い出すから?」


何々?鴇田を襲った?”あの”キョウスケが!?


「ちっ、違うわよ!また遅くなるのはゴメンだから最初に入ろうってことよ!」とイチがキっと目を吊り上げる。


「はいはい」とキョウスケが肩を軽く竦める。


「い゛ー」と歯を剥いてイチが風呂に消えていった。


後に残ったあたしたち。


「ねぇ、龍崎くんと響輔さんどっちが勝つか賭けしない?」とリコがにまにまして言い出し


「何それ、面白そう」とエリナも手を叩いた。


二人ともそう言うキャラじゃなさそうなのに、最近あたしって言うか戒に染まってきてない??


てかあたしは花火がしたいだって~!


でもでも、もう二人が対決する流れになっちゃってるし。


キュー(ビリヤードのバーのこと)を握った二人。ルールはよく分からないけど、とにかく狙ったボールをポケットに落としてけばいいんだろ?


最初は戒がキューを握りながら、腰を低めた。て言うか、戒って何やらせても絵になるな!超かっこいいぜ!こ、腰つきがエロっぽい!


戒は緑色の球に目を付けたのか、白い手玉にキューの先を当てる。


「龍崎くん頑張って~」とエリナが可愛い声で応援。


あたしもエリナみたいに可愛い女の子みたいな声援を送りたいけどガラじゃないし、そもそも花火がやりたかったあたしは素直に応援できない。こんなの彼女失格だ。


戒が狙った緑のボールは戒の打った白いボールに押し出され見事ポケットに落ちた。


ふふん、とどや顔が、何かムカつく。


「キョウスケ!頑張れよ!」


天邪鬼のあたしがキョウスケを応援すると戒はちょっとムっとした顔。


「お嬢に応援されるなんて」とキョウスケは目と閉じて胸に手を置いている。おーい、キョウスケどっかいってないか?お前。


キョウスケはテーブルの端に腰掛け、戒とは違ったスタイルでキューを握るとほぼ直角と言う難しい角度で勢いを付けて白い球を打った。それはテレビドラマの中でたまに見るかっこいい技の一つで、キョウスケの打った球はその反動で跳ね上がり赤い球を飛び越し、狙ったであろう黄色の球に見事命中。そのままコロコロポケットへと転がって行って見事落ちた。


「キャー!響輔さん凄い!」とリコがぴょんぴょん跳ねる。


「凄いぞ!キョウスケ!」とあたしも褒めたからかな、キョウスケはちょっと照れ臭そうにして鼻の下を指で擦った。


「すっげぇ」とライバル(?)である筈のキョウスケのプレーにキモ金髪も見とれてるし。


「こないだみたいに薙刀の試合のようにはいきませんよ」


キョウスケ……まだあのときのこと根に持ってんのかよ…


「くっそ、女子の前でかっこつけやがって」と戒は面白くなさそう。


そして二人のプレーは白熱していき、あたしの後ろ側でハラハラした面持ちでリコとエリナがあたしの袖にしがみついていて、あたしの反対側では二人が争っている。


最初はどうかと思ったけど、意外と白熱してきて面白くなってきた。


と思ったときふと気配を感じた。


振り返ると同時だった。