くりすの香りは、自分の城に近づくにつれ強くなっていく。 城の警備の者は誰ひとりおらず、静まり返っていた。 『これは……』 こんなことができる奴なんて純血のヴァンパイアしかいない。 あいつが…… あの時、消しておけばよかった…マリカ。