「ほう。
これがお前の部屋か」
と帯刀は顎に手をやり、物的証拠を捜す刑事のように羽未の部屋を見回していた。
白い手袋など似合いそうだな、と隙のないその顔つきを見て、羽未は思う。
いそいそとお茶を持ってきてくれた母も、そんな帯刀の様子を見、
……もしや、ほんとうにただ仕事の関係で来ただけなのか?
と疑う視線をこちらにくれたほど、何処もラブラブな感じはしなかった。
一応、プロポーズされたり、もてあそばれたりしたのにな……、と思いながら、
「あの~、お茶どうぞ」
と羽未はラグの上の白いテーブルに置かれたお茶を勧めたが、帯刀は、
「いや」
と断ってくる。
まだ刑事な顔のまま、
「ちょっと今、お茶を飲む勇気はない」
と帯刀は言った。
「……何故ですか」
毒など入ってはいませんが、刑事さん、と思いながら言ったが、そういう意味ではなかったようだ。



