……秘密があります

杏果(きょうか)もどう?」
と芳賀は振り返り言って、

「いや、別れた男とバーベーキューする趣味ないんだけど」
とつれなく言われていた。

 だが、めげない芳賀は笑い、
「そんなこと気にしてたら、社内のかなりの女性、誘えなくなるじゃない」
と言っている。

 あっけらかんと言うので、そんなに嫌味ではないが、困った人だ。

 気が向いたら行く、と杏果は言っていた。

 そうか。
 芳賀さん、杏果さんとも付き合ってたのかー。

 やっぱり面食いなんだな、とさらさらストレートの妖艶な美女、杏果を見たとき、

「羽未ちゃん、大丈夫なんだよね? 来週末。
 士郎がそう言ってたよ」
と芳賀が言ってきた。

 ええっ? もう、シロさんめ~っ、と思っていると、和花たちは違うところに食いついてきた。

「なんで、上杉課長があんたが来週末、暇って知ってるのよ」

 いや、奴が知っていたのは、来週末、私が暇でない、ということだったはずなんだが、と思いはしたが、話が盛り上がってしまっているので、断れそうにはなかった。

 ……まあ、いいんだけど。

 どうせ、さちこさんの代わりに暇つぶしに呼ばれただけなんだから。

 ええ、といじけてバイキングに行き、課長に来週末、断れない用事ができたって言わなきゃな~とぼんやり考えながら、肉、デザート、肉、デザート、肉、と繰り返して食べ、家に帰った。