……秘密があります

 


羽未(うみ)ちゃん、ありがとう」

 ふいにそう言って受付から手を振られ、羽未は、ぎょっとした。

 和花(わか)たちと軽くバイキングに行こうという話になり。

 ……いや、バイキングをどう軽く食べるのかわからないが。

 一階ロビーに下りてきたときのことだった。

 見ると、受付嬢の大橋杏果(おおはし きょうか)と話していた芳賀(はが)がこちら向かい、手を振っている。

「やだー、羽未。
 なにしてんのよ、早く話に行きなさいよー」
と和花たちの方が赤くなり、言ってくる。

 いやいや。
 私は特に話はないが、と思いながらも、羽未はみんなに背を押され、芳賀の許へと行った。

 芳賀は水も(したた)るいい男というのは、こういうのを言うんだろうな、という感じの男だ。

 今風の小洒落たイケメンで、いつもなんとも言えない色香が漂っている。

 いや、仕事中はその気配、しまっておいてください、といつも思ってしまうのだが。