綺麗な顔で、無表情だから怖い、というのは普段通りなのだが。

 今日は無表情を通り越して、不機嫌なようにも思える。

 私、なにかしましたかね……とチラと窺い見たが、帯刀はこちらを見なかった。

 私は、課長の部屋に居た証拠を隠滅しようとしただけですよっ。

 なにかされたの、私の方ですよっ?

 もしもしっ?
と心の中だけで叫びながら、羽未はトレーを手に列の波に流されていった。