いろいろ考えながら、羽未が社内をうろうろ歩いていると、士郎が居た。 何故か壁のところに張り付き、手招きしている。 「なに? シ……」 シロさん、と言うより早く、しーっと士郎はおのれの口許に指を当てた。 「帯刀が隠れて電話してる」 「えっ」 羽未は音もなく士郎のところまで行き、覗いている士郎の下からひょいと向こうの廊下を見た。 人気のない大会議室の前で、帯刀が少し落ち着かなげに電話をしている。 「さちこさん、今週末はお暇ですか?」 さちこさんっ? と二人で身を乗り出した。