羽未は渡り廊下を歩いている帯刀を見つけた。
いつぞや連れ込まれた倉庫にどきりとしながらも、
シロさんと幼なじみな件は伏せといてくださいっていうのも言っとかないといけないしな、
と自分に言い訳しながら、羽未は帯刀を追いかける。
可愛い小さな袋にちょっと多めに入れたタクシー代を手に、
「課長」
と呼びかけた。
帯刀が振り返る。
「これ、タクシー代です」
「いらん」
「だって、呑み代も出してもらったのに」
両手で小袋を差し出し、そう言うと、帯刀は一度受け取り、
「じゃあ、袋だけもらおう」
と言って、何故か袋だけ取って、中身は返してきた。



