「なにやってんの?」
と問われ、昼休み、廊下のソファでスマホをチェックしていた士郎は言った。
「いや、女友だちを帯刀に紹介してやろうかと」
「なにやってんのっ?」
と違う意味で叫ばれる。
並んで缶コーヒーを飲んでいた同期の美作が熱くなって語り出す。
「帯刀に女なんて紹介してやらなくていいよっ。
あいつ、女なんて、よりどりみどりだろっ?」
俺に紹介してくれよっ、と美作は切実な感じで叫んでくる。
……そうだよな~。
よりどりみどりな帯刀が、連絡帳を卵でボロボロにするような女をわざわざ選ぶわけないよな。
やっぱ気のせいだな、と昨夜、目で見て、耳で聞いたものを拒否して、士郎は結論づける。
渡り廊下の方に向かって歩く帯刀が遠くに見えた。



