……秘密があります

「帯刀。
 何故、お前が羽未を送ってくる」

「一緒に呑んだから」

「何故、一緒に呑む」

「ちょっと結婚しようかと思って」

「何故、ちょっと結婚しようかと思う」

 なんですか、このどうしようもない感じ……。

 帯刀が一瞬、答えられないでいると、士郎が淡々と言ってきた。

「落ち着け、帯刀。
 お前が羽未なんかと結婚するわけないだろ」

「何故、お前がそれを決める」
と言う帯刀の肩をつかみ、士郎は強引に車に押し込んだ。

「運転手さん、こいつ送ってってくださいっ」
と前に向かい、声をかける。

 はっ、今だっ、とちょっと恥ずかしいが、羽未も帯刀の足をつかみ、車の中に入れさせた。

 二人がかりで帯刀をタクシーに押し込む。

「こらっ、お前らっ」
と帯刀は言ったが、士郎が強引に手でドアを閉めていた。