結局、どちらも酔わず、羽未は無事に帯刀に家までタクシーで送ってもらった。
「遅くまで連れ出してしまったからな。
ご両親にお詫びを」
と律儀に言いながらタクシーから降りようとした生真面目な帯刀を手で押し返そうとしたが、帯刀に触れるのが恥ずかしく、
「運転手さんっ、ドア、閉めてくださいっ」
と羽未は運転手さんの方を振り返り叫ぶ。
運転手さんは、は? という顔をしていて、もちろん閉めない。
「挟まれるだろうがっ」
と叫ぶ帯刀と揉めていると、親ではなく、士郎が隣家から出てきた。
「やかましいぞ、お前ら」
「……上杉、何故、此処に居る」
気を取られた隙に帯刀がタクシーから降りてしまっていた。
「此処は俺の家だ」
と士郎が自分ちを指差す。
あっ、幼なじみだって自分がしゃべるなって言ったのにっ、と羽未は士郎を見た。



