まあ、そんなこんなで、入社前から春成帯刀の名前だけは知っていたのだが……。
初めて、春成帯刀という名前を聞いたとき、
……侍?
と思った。
そして、実物を見た今、
……侍?
とまた思っている。
うっかりミスなどしようものなら、あの隙を見せない美しい顔で、いきなり斬りかかって来そうだからだ。
「お前、帯刀と二人で呑み会を抜け出したと聞いたが。
まさか、帯刀と付き合ってるんじゃないだろうな」
今、そう文句を言ってくる士郎に、ないない、と羽未は熱すぎるおしるこを手に言う。
「だよな。
あいつがお前なんぞを相手にするわけないもんな」
……貴方、一体、どっちの味方なんですかね?
と思いはしたが、それだけ敵視するということは認めているということでもあるのだろう。
「まあいいや。
これ以後、俺に話しかけるなよ」
と勝手に話しかけてきておいて、士郎は言い、
「釣りはいらん。
あったかいものでも食べろ」
と千円を羽未の手のひらに置いていった。
初めて、春成帯刀という名前を聞いたとき、
……侍?
と思った。
そして、実物を見た今、
……侍?
とまた思っている。
うっかりミスなどしようものなら、あの隙を見せない美しい顔で、いきなり斬りかかって来そうだからだ。
「お前、帯刀と二人で呑み会を抜け出したと聞いたが。
まさか、帯刀と付き合ってるんじゃないだろうな」
今、そう文句を言ってくる士郎に、ないない、と羽未は熱すぎるおしるこを手に言う。
「だよな。
あいつがお前なんぞを相手にするわけないもんな」
……貴方、一体、どっちの味方なんですかね?
と思いはしたが、それだけ敵視するということは認めているということでもあるのだろう。
「まあいいや。
これ以後、俺に話しかけるなよ」
と勝手に話しかけてきておいて、士郎は言い、
「釣りはいらん。
あったかいものでも食べろ」
と千円を羽未の手のひらに置いていった。