「気持ちの若い人だから、お母さんと呼ばれたくなくて、ずっと、さちこさんと俺に呼ばせてたんだ。
いつか、お母さんに変えようと思っているうちに、お母さんと呼ぶのも恥ずかしい年頃になって。
お袋と呼び変えるのもめんどくさかったんで、そのまま、ずっと、さちこさんと呼んでいたんだ」
駅まで歩いて送ってくれながら、帯刀はそう語る。
帯刀の両親とは昼食後すぐに解散したので、まだ日も高く、いい天気だった。
「よし、親にも紹介したし。
式場も決まった」
「……決まってしまいましたね」
「いい式場があるのよ~」
お茶をしている途中で、さちこがそう言い出し、パンフレットを見せられ、うっかり、
「あ、いいですねー」
と言ったら、
「じゃあ、此処にしましょうか」
と言われた。



