あ、課長だ、と渡り廊下で向こうから来る帯刀を見つけた羽未は赤くなった。
「おっ、お疲れ様ですっ」
と頭を下げると、ちょいちょいと手招きされる。
大きな身体でするその仕草がなんだか可愛らしく見え、余計照れたとき、いきなり強い力で両腕をつかまれた。
そのまま、渡り廊下の白い壁に身体を叩きつけられる。
ひいっ、と思った次の瞬間、帯刀の手が羽未の左頬の横をドーン! と相撲の稽古のように突いていた。
壁にヒビが入ってませんかっ!?
と羽未は振り返ろうとした。
だが、そんな羽未の顎を帯刀の指がクイッと持ち上げる。
「あっ」
正気のときの帯刀とも思えない強引さに羽未は真っ赤になっていた。



