「させてあげなさいよ、キスくらい~」

 昼休み。
 リラクゼーションルームで偽物の緑に癒されながら、みんなで珈琲を飲んでいたとき、阿佐子が言ってきた。

 ぼとっと羽未は小さなクッキーを落とす。

 ママさんな阿佐子の同期が学校のバザーで買ってきたというクッキーをみんなでいただいていたのだ。

 聞いていたのですか……?
と怯えながら顔を上げると、阿佐子は、

 聞いていたわよ、という顔で、にやりと笑う。