「それが例の卵でボロボロになって表紙が消えた連絡帳です」
「何故、卵でボロボロになって表紙が消える」
「いえ、うちの学校の給食、持って帰れるものは残してもよかったんですよ。
それで、給食ナプキンに包んで、ゆで卵をカバンに入れてたんです。
そしたら、中身がぎゅうぎゅうだったので、潰れちゃって。
カバンの中にあった連絡帳の表紙に割れた卵がナプキンを突き抜けて染み渡って、ふにゃふにゃになったところに、教科書をザクーッと入れたら、バリーッと表紙が裂けてなくなったんですよ」
「……まあ、小学校の頃はそういうこともあるよな」
と帯刀はフォローを入れてくれたが、
「いえ、中学校です」
と羽未は正直に暴露する。
帯刀はふたたび沈黙した。
さっきとは違う意味で。
そのとき、
「課長さーん、タクシー来ちゃったんですけど~」
と意外に早かったタクシーの到着に、残念そうな母の声が下から聞こえてきた。
「何故、卵でボロボロになって表紙が消える」
「いえ、うちの学校の給食、持って帰れるものは残してもよかったんですよ。
それで、給食ナプキンに包んで、ゆで卵をカバンに入れてたんです。
そしたら、中身がぎゅうぎゅうだったので、潰れちゃって。
カバンの中にあった連絡帳の表紙に割れた卵がナプキンを突き抜けて染み渡って、ふにゃふにゃになったところに、教科書をザクーッと入れたら、バリーッと表紙が裂けてなくなったんですよ」
「……まあ、小学校の頃はそういうこともあるよな」
と帯刀はフォローを入れてくれたが、
「いえ、中学校です」
と羽未は正直に暴露する。
帯刀はふたたび沈黙した。
さっきとは違う意味で。
そのとき、
「課長さーん、タクシー来ちゃったんですけど~」
と意外に早かったタクシーの到着に、残念そうな母の声が下から聞こえてきた。



