……秘密があります

 だが、羽未はそこで、しくしくと泣き始めた。

「課長っ、ひどいじゃないですか~っ」

 羽未にまともな意識があったら、ひーっ、と叫んでいたことだろう。

「誰だ、課長って」
とみんなざわめくが。

 若い美女にひどいと罵られそうな課長は二人しか居ない。

 みんなの視線が帯刀と士郎を見た。

「俺のことだな」
と士郎が言い出し、そこに帯刀が、

「いや、俺だろう」
と割り込む。

「……お前ら何故、綾城(あやき)さんをひどい目に遭わせた男になりたがる」
と二人の同期の美作(みまさか)は呆れたが、芳賀はビールを片手に、にやにや笑いながら、

「わかるわかる」
と頷いていた。

「美女をひどい目に遭わせて泣かせてみたいねえ」

「相変わらず、鬼畜ね……」
と芳賀の皿の乾き物を取りながら、阿佐子が呟いていた。