「そうなの?」
病院の狭いベッドで過ごすことの多かった彼女は自分の空間を快適に過ごす工夫をして生きてきたので、ここでそれをやろうとしていたが彼に言われてハッと気がついていた。
「ああ。しかもそれってさ。俺の分は?」
「ごめんなさい。私のだけだったわ」
すると疾風がやれやれ顔で腰に手を置いた。
「お前さ。俺の頭になんか落ちてきて怪我してもいいのかよ?これ以上悪くなったらどーすんだよ?」
「そんな事はないけど?ごめんなさい……」
せっかくのアイディアを疾風に叱られた彼女はズーンと暗い顔をしてしまった。これを日永がまあまあとフォローした。
「まあ、酒星君もそれくらいで許してやれ!桜田さん。今日は見逃しますが、次回は私に相談してくださいね」
「ぐずっ!わかりました。後で何を相談すればいいのか相談に行きます……」
「お待ちしています?あ、みんなが来ましたよ」