「そ、か。飛ばす距離を測るのか」
「……本当に何も知らないみたいだね」
「うん。でも楽しそうね」
そんな話の中、芹那が投げる順番になった。
これを美友はじっと見ていた。
腕や肩をぐるぐる回すストレッチをした真剣な顔の芹那が、美友にはカッコよく見えてドキドキしていた。
こんな彼女はボールを持つとスイッチが入りどりゃ〜!と空に向かって投げた。
「キャ〜〜!カッコいい!」
「そう?」
「レーザービームって初めて見た!……ス・テ・キ!」
嬉しそうに飛び上がる美友に恥ずかしい芹那だったが、確かに記録は出ていた。
「おい、これはうらら学園女子のニューレコードだ!」
距離を測った山下の声に女子達はおおお!と拍手をした。
「記録更新か。ま、こんなもんか?」
「カッコいい……私、梅本さんのファンになっちゃった」