「皆の者。しかと聞くのじゃ」
「「「はい!」」」
うらら学園の園長室。
高齢の岩田鉄夫、通称岩鉄|《がんてつ》は部下を前にブラインドから漏れる光に目を細めて命令した。
「この春、わしの孫娘が入学する。これが資料じゃ」
岩鉄はそういって写真付きの資料を見せた。三人はこの資料の美少女と目の前の老人を見比べていた。
「……似てない。あ?我々はこのお嬢様をお守りすればよろしいのですね」
「ちがーう!何を聞いているんじゃ?」
三人はまだ話を聞いていなかったが、面倒なのでスルーした。
「美友は生まれた時からずっと病院を行ったり来たりじゃ。優しい医療関係者に育てられ天使のような娘になった。だから冷たい世間や意地悪な友達など夢にも知らん常識はずれのお気楽者になってしまった……」
そう悲しく話す年寄りを三人は下を向いて話を聞いていた。