「私は貴女に、忘れていたトキメキを感じました。初めて会って別れてから、ずっと会えない日が苦しかった。何度も歩道橋の上で、貴女を待っていました。今日やっと会えて、分かりました。私は、貴女に恋していると」
「私…貴女に相応しくなんかないですよ…」
「相応しいとか、そうじゃないとか。そんなことは関係ない、好きな気持ちだけ
それだけで十分です」
どうしよう…素直に嬉しい…
だけど私は…ダメ…
突き放さなくちゃ…忍さんには大切な家族がいるから…
そう思ったフェアディーが、ハッとひらめいた。
「好きな気持ちって…私…。男の人、すぐにこうやって好きにさせてしまうのです」
「はぁ? 」
「えっと…。私、風俗の女ですから。
「風俗? 」
「はい。あの…男の人に、体売ってお金を稼いでいる人なんです。だから、みんな私を見ると好きになってしまって。困ってしまいます」
じーっとフェアディーを見つめている忍。
「なので、忍さんのように立派な人には。私なんてだめですよ。沢山の男の人を相手にして、体でお金を稼いでるんですから」
「本当? それ」
ちょっと厳しい目をして、忍はフェアディーに尋ねた。
「はい、本当です。私…それしか稼ぐ方法がなくて…」
「そうなんだね。じゃあ」
ひょいと、忍はフェアディーを抱きかかえた。
「な、なに? 」
「風俗嬢なら大歓迎だよ」
「え? 」
驚くフェアディーを抱きかかえたまま、忍は歩き出した。
そのまま忍がやって来たのは和室。
いつも忍が寝ている寝室で、布団が敷いてある。
忍はそっと、フェアディーを布団の上に寝かせた。



