ごめん。ぜんぶ、恋だった。



「じゃ、次は俺が入りたいやつに付き合えよ」

乗り物酔いを落ち着かせるために選んだのは、お化け屋敷だった。


「ムリ、やだ、ムリっ……!!」

さっきまで涼しい顔をしてたのに、仁菜は入る前から後退りをしている。


「平気だって。暗いところからおばけが出てくるだけじゃん」

「それが怖いんだって!ひい……っ」

相当敏感になっているようで、仁菜は小さな物音で肩を縮めている。


「ジェットコースター付き合ってやったんだからいいじゃん。行くぞ」

「ま、待って、お兄ちゃん……っ」

結果としてお化け屋敷は全然怖くなかった。

風が吹いてきたり、急に明るくなったり、お化け風のマネキンがあちこちに置いてあっただけ。

それでも仁菜は怖かったようで、ずっと俺の手を握っていた。


混む前に昼飯を取ることにして、売店でホットドッグを買って、パラソルの下で食べた。


「あ、お兄ちゃん。砂糖が多いほう選んだでしょ!」

デザートに長いチュロスを半分ずつにした。


「アホ。長いほうをお前にあげるためにこっちを選んだんだよ」

「あ、本当だ!ラッキー!」

仁菜は嬉しそうにチュロスを頬張っている。


気づくと周りはカップルだらけで、みんなチュロスを俺たちのように半分こにしていた。

……きっと俺たちも彼氏彼女に見られてるんだろうな。小さい時はどこを歩いていても姉弟だということを疑われなかったのに。