「なにから乗る?ここから一番近い乗り物は……」
俺がパンフレットを見ていると、仁菜が腕を組ながら引っ張った。
「やっぱりアレでしょ!」
仁菜が指さしている方向から響いてくる叫び声。それは、約50mの高さから猛スピードで垂直降下するジェットコースターだった。
絶叫系が好きな仁菜が乗ることは覚悟していたけど、まさか一発目からとは……。
「うえ、待って。ちょっと休憩」
仁菜に合わせてジェットコースターを2回と、ぐるぐる周り続ける空中ブランコを3回連続で乗ったところで、俺はベンチに座り込んだ。
「えー今ならまだ空いてるから、他のジェットコースターも乗りにいこうよ。一回転するやつ」
あれだけ酔うものばっかり乗っているっていうのに、仁菜はまだ物足りない表情をしている。
「お前の三半規管どうなってんだよ」
「お兄ちゃんこそ三半規管鍛えたほうがいいって」
「うるせえ。とりあえず激しい乗り物は休憩な」
「……もう!」
仁菜はふて腐れながらも、ずっと笑顔だった。最近は俺のせいで暗い顔ばかりをさせていたから、久しぶりに笑っている顔を見た気がする。



