明日の約束は美月が行くべきなんだろう。

優しく私を見つめて微笑んでいたあの彼の瞳にうつっていたのは…

私であって私じゃない…。

彼が愛しそうに見つめていたのは…

……美月だ。

服部くんのいる日常に、私も一緒に過ごしてみたい。

我が儘な望みを叶えてしまったら、知りたくない現実が見えてしまった。

服部くんの好きな人…わかっちゃった…。

打ち上げで帰宅が遅くなる美月と、今日は顔を合わせて話したくなくて、美月が帰宅する前にかなり早い時間にベッドに潜りこんだ。

『今日はどうもありがとう。
疲れちゃったから先に寝てます。
明日T駅10時、服部くんが待ってるので行ってください。
宜しくね、美月。
おやすみ~』

美月の携帯にメッセージを送り、私は携帯の電源を落として布団を頭まで被った。

それから一時間程して、美月が帰宅して私の部屋を覗いていたが、私は寝ているふりをして背中を向けてドアが閉まるまでじっと息を潜めていた。