「おはよう、美月」
「おはよう、藤咲」
すれ違う男女に会うたびに声をかけられ、誰にでも気さくに話しかける美月らしくて、友達の多さに驚きながら羨ましく思
う。
これが美月の日常で、美月が過ごしている空間なのだ。
球技大会だから登校したらすぐにジャージに着替えて、それから教室に行くんだよと教えてくれた沙弓に案内されて、更衣室で着替えをすませて教室に向かう。
教室の後ろの入り口から覗きこんだ教室の中に、会いたい人の後ろ姿がすぐに目に飛び込んだ。
「沙弓…」
思わずぎゅっと沙弓のジャージをつかむと
「大丈夫だよ。
今まで会った人みんな美月だと思ってたでしょ?
もうすぐホームルーム始まるし、終わったらすぐ球技大会はじまるから、一日一緒に楽しもう?」
「うっうん…」
頷いたものの足が震える。
電車の中でもこんなに彼に私は近づいたことなんてない。
うるさいくらいに騒ぐ心臓を服の上から押さえて一歩一歩服部くんに近づいた。
「おはよう、藤咲」
すれ違う男女に会うたびに声をかけられ、誰にでも気さくに話しかける美月らしくて、友達の多さに驚きながら羨ましく思
う。
これが美月の日常で、美月が過ごしている空間なのだ。
球技大会だから登校したらすぐにジャージに着替えて、それから教室に行くんだよと教えてくれた沙弓に案内されて、更衣室で着替えをすませて教室に向かう。
教室の後ろの入り口から覗きこんだ教室の中に、会いたい人の後ろ姿がすぐに目に飛び込んだ。
「沙弓…」
思わずぎゅっと沙弓のジャージをつかむと
「大丈夫だよ。
今まで会った人みんな美月だと思ってたでしょ?
もうすぐホームルーム始まるし、終わったらすぐ球技大会はじまるから、一日一緒に楽しもう?」
「うっうん…」
頷いたものの足が震える。
電車の中でもこんなに彼に私は近づいたことなんてない。
うるさいくらいに騒ぐ心臓を服の上から押さえて一歩一歩服部くんに近づいた。