「服部くん…私に何か用?」

ガン見している俺に、反対隣の叶と楽しそうに話していた藤咲が怪訝な顔をして俺の方を振り向いた。

「あっ…いや…」

がちで藤咲の顔を見ていたことに気がつき、口ごもりながら慌てて目をそらすと

「あっ!もしかしてこれ!?
服部くんも食べたかった?
はいはい、叶くんと喧嘩しないようにちゃんとあるから。
部活終わったらお腹すくんでしょ?」

差し出された紙袋にはうまそうなお菓子が入っている。

「おっ!いいの?うまそっ。
さんきゅっ藤咲」

にっこり笑った藤咲の笑顔が…俺が毎朝目にする彼女の笑顔と一瞬重なった。

瞬きを繰り返す俺に藤咲が首を傾げる。