「ねぇ、美月お願いがあるの。

美月の学校の人できっ、気になる人いて!
名前、そう名前を知りたくて探したいから、一度だけでいいからお願い!!

私を美月として学校に行かせて!」

美月は目を丸くして

「いつの間にそんな人見つけたの」

とニヤニヤしながら私をこづいて

「うん、いいよ。
来週全校で球技大会あるからその時はどう?
学年もわからないんでしょ?
球技大会なら自由に動き回れるし探しやすいよ。
良かったぁ。
私バレーボール苦手だったんだよねぇ。

中学以来だよね、入れ替わるの。
なんか楽しみだね」

ウキウキしている美月の姿に胸が痛む。

「ごめんね、美月」

「ん?いいよ、別に。
菜月の気になる人、すぐ見つかるといいね」

美月の笑顔に、隠していることに罪悪感でいっぱいになる。 

ごめん、美月。

少しだけ、秘密にさせて。

ちゃんと美月に話すから。
服部くんと話ができたらちゃんと美月に教えるよ。

ずっと私ほ服部くんが好きだったんだよって。