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「な・つ・き、お帰り~」

服部くんのお母さんに車で送ってもらい、帰宅した私を美月がニヤニヤしながら出迎えた。

「すっかり家族公認じゃん。
いいなぁ、もう!
で、あのムッツリはま~た二人になったら菜月にちゅーして触り放題?」

「きゃあっ!」

背後から私に抱きついた美月が突然胸をもんだのでびっくりして飛び上がった。

「うわぁ、やっぱ私よりおっきいなぁ。
私たちの見分け方ってたぶんこれだわ。
あいつめ!菜月の顔よりボディガン見だ」

美月の言葉に今日の大人なキスを思い出して私の顔がますます赤くなる。

「今日クラスでも月バスの菜月話題になっててさ。
スタイルいいって男子が騒いでたら服部くんブチ切れてた。
それでも菜月と付き合うことになったから上機嫌でね。1日でれっでれの顔してんの!」

思い出し笑いをしながら学校での様子を話す美月に私の胸がざわつく。

嫌だな…。

服部くんのことは知りたいけど…、美月の口からは聞きたくない。

今は叶くんが好きだと言っているけど、元々は美月は服部くんが好きだったのだ。
またその気持ちが彼に向く可能性はゼロ…ではない。