可愛い…。

疑ってごめん。

服部くんは正直者で、たぶん嘘がつけない人なんだろう。

天然のタラシか…。

もつかな、私の心臓…。

ううん、そんなことよりやっぱり学校でモテモテでしょ!

再び私の胸はざわつきモヤモヤがひろがる。

両想いって…ちょっと厄介かもしれない。

ドキドキきゅンきゅンする気持ちと同時に、モヤモヤイライラする気持ちもうかびあがる。

だけど…絶対、私はもっともっと、彼を知れば知るほど、好きで好きで堪らなくなっちゃうんだろう。

欲張りだな私。
こんなに独占欲強かったかな?
私のほうがベタぼれなんだろうな…。

悔しいなぁ。

余裕ないのは私だよ…。

一緒の学校通いたいなぁ。
大学は一緒のとこ…!!!!

うわっ、無理たぁーっっ!

服部くん医大行くんだ!!

ダメた…。

付き合い始めたばかりなのに私何いろいろ考えてるんだろう。

こんなに独占欲丸出しの気持ちがばれたら引かれちゃう…。
嫌われたく…ない。

それに…服部くんの側にはいつも美月がいる…。

怖い…。

私を知れば知るほど美月と比べられそうで怖い…。

ポカポカする暖かな気持ちの裏側に、どす黒い感情が渦巻きだして振り払うように頭を左右にふる。

腰を掴む手に力がこもった時、ゆっくり自転車がとまった。

少し日が傾き薄暗くなりかけの公園のベンチ。

振り向いた服部くんの笑顔に目がくらむ。

「着いた。
お店だと二人っきりになれないからさ。
向かい合わせじゃなくて隣に座りたいし。
今日はここで少し…話しよ?」

「うん…」

私たちは公園のベンチに、二人して少し緊張しながら並んで座った。

だって…。

服部くんは、距離をあけずにピタリと肩が触れる距離に腰掛けたから…。