朝の診察を終えるとそのまま退院になった。

退院手続きを終えたお母さんが迎えに来てくれて車で家に向かう。

「菜月、ついでにちょっと遠回りして帰ろうね。
傷の消毒と抜糸、服部医院に通うのなら場所知らないとね?
服部くんが付き添ってくれそうだけど彼も部活あるだろうし。
お母さんか連れて行くか、自分でも行けないと困るでしょ」

「うん、そうだね。ありがとうお母さん」

お母さんの口から服部くんの名前がでて、恥ずかしくてお母さんの顔が見ることができず、窓の景色をぼんやり眺める。

服部くんと私は家族公認で
…たぶん、近々彼のお母さんとも会うことになるんだろう。

それは嬉しくもあり、少し恥ずかしい…。