「…ちゃんとまたいつもの電車に乗るから」

「…うん」

腕の中にすっぽりおさまる華奢な彼女の体温をもっと感じていたくて、病室だとわかっているのに、抱きしめている腕を離すことができない。

もっともっと、ずっと…この腕の中に閉じ込め続けたくて仕方がない。
もちろん、女の子を抱きしめたのもキスしたのも…付き合うのも菜月ちゃんがはじめてだ。

……ん?

ちょっとまてっ!!

告白して、彼女も俺を好きって言ってくれて。
すぐさま手ぇ出してる俺って…手の早いチャラ男じゃんかっ!!

だけど…まだこのまま抱きしめていたいし、ホントはもっと触れたいしキス…したい…。