俺の告白に彼女は黙ったまま固まっている。

「学校も違うけど、俺は毎朝電車で一年菜月ちゃんのことずっと見てきた。
話したこともないし、ただ見ているだけでお互いのことよく知らない。
だけど同じ学校のコでもクラスのコでも藤咲でもなくて、俺が惹かれて好きなのは菜月ちゃんなんだ」

彼女の目が大きく見開かれてみるみる顔が赤くなる。
それでも彼女はまだ見動きひとつせず、俺の告白に返事をしてくれない。

真っ赤になっている菜月ちゃんは可愛くて、今すぐ抱きしめたくて仕方がないが、俺は菜月ちゃんが納得してくれるまで、俺の想いが届くまで何度もキミへの想いを口にする。

「さっき親父に怒られた。すぐに見分けがつくように傷跡が残ればいいってそんな悲しいこと彼女に言わせるなって。

俺だてに一年見てないよ?
菜月ちゃんのことはすぐわかるから。
同じ服着てたって、同じ髪型してたって、同じ顔してたって、菜月ちゃんのことすぐわかるし、俺が好きで彼女にしたいのは藤咲菜月だから。

菜月しか俺は彼女にしたくない」