その仕草が先程の先生と一緒でおもわず笑みがこぼれた。でも、服部くんの表情は曇ったままで

「ごめん…」

ともう一度私に謝り、謝られた意味がわからず首をかしげると

「…いろいろほんとにごめん」

そう言って、頭をなでていた手がそっと額のガーゼに触れた。

「痛かったろ。ごめん、俺に…一瞬気を取られたよな…。
目が…合ったよな?隠れて見てたんだけど、菜月ちゃんのプレイ近くで見たくなって近づいたら…。
うん、ごめんな。

頭打って意識ないし、目の上…額らへん切って出血してるし、俺、いろいろ後悔した。
意地張っててごめん。髪も…ごめん」

額から離れた手が短くなった私の髪を一束すくった。

「あのさ…もう遅いかもしれないけど、嫌われたかもしれないけどもう一度言わせて。

俺、菜月ちゃんのことやっぱり好きだ。
付き合ってほしい…。彼女に…なってほしい」

そう言った服部くんはようやく吹っ切れたように晴れやかな顔をして、私に笑顔を向けた。