ちょっ!
ちょっとまって…。

今先生何て言った…?

祥平って言わなかった…?
白衣のネームプレートも "服部" だった…。

先生って……。

もしかしてもしかしなくても…

服部くんのお父さん!? 
しかも……。

「あのテレビによくでているイケメン凄腕天才脳外科医、神の手をもつ服部ドクター!!」

びっくりしてベッドから飛び起きた私を苦笑いしながら

「こら、飛び起きたりしたら傷がひらくぞ。

あーっ、まぁたぶんそれ俺なんだろうけど、祥平そのこと言われるの嫌がるからアイツの前てはしーっ、な?」

口元に人差し指を立てて笑う先生の顔は服部くんとよく似ていて、頭や傷の痛みよりもせわしなく動く心臓が苦しくて、今起きている出来事を脳が処理できなくて心臓だけがバクバクいっていた。